日本行政書士会連合会 会長 年頭のご挨拶(令和8年)

令和8年の新春を迎え、謹んで新年の御挨拶を申し上げます。

熊本県行政書士会及び会員の皆様におかれましては、平素より本会の事業推進に対して、格別の御高配を賜り誠にありがとうございます。また、日頃から地域住民の皆様並びに自治体の期待に応え、行政書士制度の発展のために御尽力いただいておりますことに対し、重ねて御礼申し上げます。

さて、昨年を振り返りますと、2月の日本海側を中心とした記録的な大雪、7月のトカラ列島近海地震、8月から10月にかけての豪雨や突風、台風被害など、全国各地で自然災害が相次ぎ、多くの方々が被災され、困難な生活を強いられました。これらの災害に際しては、複数の地域で災害救助法が適用され、被災地域の単位会において罹災証明書の取得支援や無料相談会の開催を始めとした復旧・復興活動が展開されるとともに、本会としても被災単位会をバックアップするための各種支援策を実施しました。被災された方々にとって、行政書士による行政手続の支援が果たす役割は大きく、行政書士が現場で培った経験と信頼は、地域における暮らしの安全と再建を支える力として今後ますます重要になることを実感した次第です。

現在、本会では内閣府との連携協定の下、被災自治体を支援する体制を構築するため、「災害復興支援員」の増員及び養成を推進しています。地域に密着した行政書士ならではの専門性と組織力を生かし、住民や自治体に寄り添った支援活動をより一層充実させてまいりますので、引き続き御理解と御協力のほどよろしくお願い申し上げます。

そして、本年1月1日から行政書士法の一部を改正する法律(令和7年法律第65号)が施行されました。奇しくも、本年は、行政書士法(昭和26年法律第4号)が昭和26年2月22日に公布されて75周年、三四半世紀という記念すべき節目の年に、この改正法が施行されたことは、誠に喜ばしい限りです。この改正により、行政書士の使命と職責が明確となり、士業法で初めて「デジタル社会への対応」の努力義務が規定されました。また、特定行政書士の業務範囲については、行政書士が「作成することができる」官公署に提出する書類に係る許認可等に関するものに拡大したことにより、行政書士の前段階関与の有無にかかわらず、行政不服申立ての代理が可能となりました。さらに、業務の制限規定に「他人の依頼を受けいかなる名目によるかを問わず報酬を得て」の文言が加わり、その趣旨が明確になったほか、両罰規定が整備され、業務の制限規定に違反した場合、行為者のほか、その法人に対しても罰則が適用されることとなりました。

本会では、今般の法改正を受け、会則や研修制度など必要な見直しを行うとともに、法改正の趣旨を周知徹底して、会員の皆様の業務環境の整備に注力してまいります。会員の皆様におかれましても、改めて行政書士としての使命と職責を認識されるとともに、国民の利便の向上及び業務の改善進歩に努めていただきたいと存じます。

私は常日頃から、全国津々浦々に約5万4千名が遍在する行政書士が、国民の皆様にとって、不安や悩みに直面したときに最初に思い出していただける存在でありたいと願っています。そのためには「かかりつけ行政書士を全国標準にしよう!」という活動理念の下、皆様と共に強い行政書士制度を創り、地域社会の中で確かな信頼関係を築いていくことが重要です。私たち行政書士は常に時代の要請に応じて進化し、いつの時代においても国民の皆様、事業者の皆様に寄り添う存在となれるよう、今後とも皆様の御支援を賜りながら、行政書士制度の更なる発展に全力を尽くしてまいる所存です。

本年が、災害の少ない穏やかな年となりますとともに、会員の皆様にとって実り多く飛躍の一年となりますことを心より祈念申し上げ、年頭の御挨拶といたします。


日本行政書士会連合会 会長
宮 本 重 則